津田孫兵衛が誇る伝統の味は、加工工程だけを追うと実にシンプル。

ささ漬けで言えば「塩を振って身を締め、合わせ調味料にくぐらせて昆布とともに杉樽に詰める」という一行で説明できてしまいます。
しかしこのシンプルさでどう自分たちの味にできるか、さらに季節や気温が変わろうとこの味を維持できるかということになると、意外に難しい。
「シンプルな分、人間性が問われるような感じがある」という十八代目の言葉は、決して大げさではありません。
職人ひとりひとりが津田孫兵衛の味を出せるまでには、多くの時間と経験が必要になるのです。
津田孫兵衛では、早朝に水揚げされた魚を新鮮なうちに処理し、塩を振って0℃で軽く熟成させます。
この時使う塩は、国産品3~4種類をブレンドしたオリジナル配合のもの。

結晶が細かくて塩振りしやすいことに加え、生魚に合わせて味や粒子の具合を細かく調整しています。
この塩ひとつとっても、夏と冬の配合加減は異なります。
どの季節・どのタイミングで食べても同じ味と感じてもらえるよう、微妙に調整しながら試行錯誤してたどり着いた ”いい塩梅 “なのです。
こうした緻密な作業がシンプルな味を支える最重要基盤。塩だけでなく酢や味醂も同じこと。
いずれも日本各地の優れた作り手のなかから、津田孫兵衛の味にそぐうものを厳選したうえ、季節や気温などで配合具合を微妙に調整して、いつもの味を実現させているのです。

「津田孫兵衛の商品は、工場での大量生産とは違って、職人による手仕事の結果。日々同じことを繰り返しているようですが、季節や気温でやるべきことは違いますし、職人ひとりひとりの経験値も日々あがっていく。一見すると同じ商品でも、少しずつ微妙に変わっていくのが本来の姿です」。

この十八代目の言葉に、長年愛され続ける味の秘密が隠されているようです。
シンプルだからこそ素材にこだわります
魚の美味しさを凝縮させ閉じ込めるために、特別にあしらえたミネラルの多い 天然国産塩を、当店独自で笹漬け用にブレンドして使用しています。
米酢とみりん
魚の旨みを引き出すために、 無農薬米を時間をかけ発酵させたうま味成分の濃い米酢と、もち米のみで熟成させた本みりんを使用しています。
熟成
樽に詰めてから低温で24時間寝かせます。 この手間暇が旨さをより引き立てます。


笹漬けの加工工程
①三枚におろす
②塩をふる
刺身でもおいしい新鮮な小鯛を、熟練の職人が一尾ずつ丁寧に手作業で整え三枚におろします
特別にあしらえたミネラルの豊富な国産塩をふりかけ身を締めます。


③米酢に潜らせる
④樽に詰める
本みりんを合わせた特別な米酢に白身をさっと潜らせます。

身の間に北海道産白板昆布を一枚一枚丁寧に挟み、蓋をする前に殺菌効果のある笹の葉を乗せて完成。