京都の高級料亭でも
珍重される高級魚
「 若 狭 ぐ じ 」


その昔、京の都へと運ばれた魚介たちは “ 若狭もの”と呼ばれ、珍重された。
その中でも最高級と言われた魚があった。
それが福井県で獲れるアマダイ。
その名も「若狭ぐじ」。
市場でひときわ目を惹く艶やかな姿と色。
その綺麗さに驚く料理人が多いとか・・・。

高級魚 若狭ぐじ
厳選された若狭ぐじは魚体を傷つけないよう慎重に取り扱われ一尾ずつ、港の名前と捕獲した船の名前が入った専用ラベルが貼られる。
出荷までの過程も厳しく取り決めがされていて、指定の魚箱に氷を入れ、その上に直接氷に身が触れないようウレタンシートを敷いて若狭ぐじを並べる。
さらにその上に魚の乾燥を防ぐためのバーチと呼ばれる特殊なビニールをかぶせ、最後にふたをしてようやく販売準備が完了。
仕立て後も販売の時間まで鮮魚冷凍庫で厳重に保管される。
こうして若狭ぐじはブランド化され、京都をはじめとする全国へ出荷されていく。



京の都で重宝された歴史深い「若狭ぐじ」。

昔から若狭ぐじは一塩して鯖や若狭がれいとともに京の都に運ばれ”若狭もの”として、京料理では欠かすことのできない珍重食材とされてきた。全国でも名高い若狭ぐじ。この名前は通称で、本来はアカアマダイといわれるアマダイの一種。白身の魚で淡白な中にも味わいの深い魚だ。

若狭湾で獲れるすべてのアマダイを若狭ぐじと呼ぶ訳ではない。
まず釣りや延縄漁で漁獲されたものであること。
網で獲れたものはその時点で若狭ぐじになる資格を失ってしまう。
次に鮮度が良いこと。姿形が美しいこと。
それらの条件をクリアし、なおかつ大型のアマダイだけを厳選し、はじめて若狭ぐじというブランド品として出荷できる。

延縄漁で捕れた若狭ぐじ 



知られざる若狭ぐじのパワーを
「大 解 剖」

若狭ぐじのパワーを大解剖
①ビタミンB
美容にいいビタミンは、人間の体がしっかり働くようになるための栄養素。主に疲れを癒やしたり、疲れにくい体を作る。筋肉にたまっている疲労物質、乳酸の除去にも役立っている。また荒れた皮膚を改善させるのに欠かせない。

②タンパク質
人間の体に不可欠な栄養素、皮膚や骨、筋肉、毛髪、血液などを作る成分になる。タンパク質は約20種類のアミノ酸から作られている。そのうち9種類は「必須アミノ酸」と呼ばれ、体内で作ることが出来ない。

③DHA
豊富に摂取することで、脳細胞が活性化して記憶力や判断力、集中力が高まる。また視力回復や抗アレルギー、抗がん作用、肝機能などの効果も多数あり。

④EPA
現代人のほとんどが不足しているといわれるEPA。虚血性心疾患やアレルギー疾患、大腸がん、糖尿病など、感染症以外のほとんど全ての病気に効果があるとか。



バランスのとれた栄養が詰まった高級アマダイ。

アマダイの名は身肉に甘みがあることに由来している。高級魚の部類に分けられるアマダイは白身の魚で、とても上品な味わいが特徴。肉質に脂肪が少なく、水分が多いので柔らかく、甘みがある。刺身や焼き物などの一般的な料理法以外に、病人食や離乳食にも最適だといわれている。

栄養価はたんぱく質や、ビタミンなどがバランスよく含まれ、うま味に関するイノシン酸が、死後にたまりやすいので非常に味がよい。またイノシン酸は分解しにくいために鮮度が落ちにくく、俗に「腐っても鯛」と言われている。
その他にも現代人のほとんどが不足していると言われているEPA(エイコサペンタエン酸)や体に不可欠な必須脂肪酸であるDHA(ドコサヘキサエン酸)などを含む。
これらは血液の粘りを減らし、流れをよくして「動脈硬化」を予防する働きがあるので、一日に一切れ又は半切れ食べるのが丁度いいとか。

若狭焼